9月9日、国土交通省から7月の建設工事受注動態統計調査(受注高)の確報が発表されました。
7月の土木工事・建設工事・建設設備工事の公共機関からの受注工事は1,349(十億)円で、民間等からの受注工事は3,266(十億)円でした。
昨年4月から時系列でみると下のグラフのとおりです。
安倍政権及び、全国の地方自治体が総力をあげて財政の縮小均衡政策を行っておりますので、当然の結果として公共機関からの受注はほぼ横ばいです。(但し、安倍総理自身は、6月1日の総理記者会見にて財政出動の必要性をお認めになられています)
以前、当ブログにおいても述べさせて頂きましたとおり、建設投資は公共の約8割が土木、民間の約8割が建築です。
よって、公共からの受注工事が伸びないことで割を食っているのは土木部門です。
今回発表されました『建設工事受注動態統計調査』を工事種類別の受注でみても下のグラフのとおりです。
上のグラフのとおり、公共機関からの受注工事のほとんどが土木工事です。
一方、下のグラフのとおり、民間等からの受注工事のほとんどが建設工事・建設設備工事です。
私は土木も建築も、自然災害大国の我が国にとっては重要な国力(供給力)の源泉であると考えています。
自然災害発生時、まっさきに被災現場にかけつけて復旧活動にあたるのは土木業者をはじめとした建設業に携わる皆さんです。
よって有事においても十分なる対応を可能とすべく平時の余剰供給能力の確保が必要なのです。
であるからこそ・・・
「コウキョウジギョーはムダだからぁ、イッパンキョーソーニューサツでカジョーなケンセツギョーシャをトウタしろぅ~」
などという極めて愚かな論調を許してはならないのです。
いま流行りの映画「シン・ゴジラ」でも、自衛隊とともに活躍していたのは土木業者でした。
このようにいうと、でも「キチョーなザイゲンがぁ~」とか「ニホンのシャッキンがぁ~」とか言う人たちがおられると思いますが、経常収支黒字国(貯蓄過剰)の日本国。そして100%自国通貨建てで国債を発行している日本国です。
そんな日本国に深刻な「国の借金問題」など存在するはずがありません。
むしろ、地方を含めた行政による財政の縮小均衡主義が、土木・建築業をはじめとした国内の様々な供給能力(国力)を棄損しています。そのことのほうが、はるかに大問題なのです。