毎年この時期(8月6日、8月9日、8月15日)は、敗戦後71年間にわたり慰霊行事が行われてきた一方、「戦争」や「平和」や「憲法」に関する報道や集会や討論が繰り返し行われてきました。
とりわけ8月15日が近づくにつれ、為政者たちが「靖國神社」を参拝する、しない、の問題で毎度喧しくなります。
この国には、厳かなる慰霊行事を世俗的な政治問題にしたがる人たちがいます。彼らの特徴は議論の前に答えありきで、まじめに物事を考えようとしないことです。
先日も、朝まで何某とかいう番組で、民進党の辻元何某という議員が「自衛隊の存在は認めるけども・・・自衛隊が海外へでていくことは認めない」と言っていました。
自衛隊が海外にでることが罷りならないのなら、なぜ「日本は国連から脱退せよ」と言わないのか。辻本議員が「日本は国連から脱退すべきである」という主張を聞いたことはありません。
国連とは集団安全保障の組織です。よって国連は加盟国に対して、集団安全保障の目的を達成するための措置を要請します。当然のことながら、その措置には軍事活動も含まれます。
ご承知の通り、我が国は昭和31年に国連に加盟しました。しかも何の留保事項もつけず。
「我が国には憲法9条があるから軍事的活動はできませんので、そのことを考慮してくださいね」などと条件をつけて加盟したわけではありません。
国連憲章の第1条の条文は次のとおりです。
憲章によれば、国連の目的は「集団安保」である、と明確に述べられています。しかもそのためには、「有効な集団的措置をとる」とも言っています。
日本は国連に何の留保事項もつけず加盟した以上、他の国連加盟国と同様に、国連の負っている義務を誠実に履行しなければならないのです。
では、国連のいうところの「有効な措置」って何でしょう。
いくつかありますが、その一つが第42条(軍事的措置)です。
辻元議員のように、自衛隊が海外展開することを一切認められないのであれば、
「日本は速やかに国連を脱退せよ」
と主張すべきです。
要するに、この類の人たちは、「政治」「国家」「安全保障」「外交」「憲法」というものをまじめに考えたことなど一切ないに等しいのです。