昨日、内閣府が1-3月期のGDPギャップの改定値を発表しました。
『GDPギャップ、マイナス1.1%に上方修正
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS14H4N_U6A610C1EE8000/
内閣府は14日、日本経済の需要と供給の差を示す「国内総生産(GDP)ギャップ」が1~3月期にマイナス1.1%になったと発表した。GDP改定値を織り込み、速報段階のマイナス1.2%から小幅に上方修正した。金額に換算すると、年率で約6兆円の需要不足となる。(後略)』
GDPギャップとは、簡単にいうと「潜在GDP」から「実質GDP」を差し引いたもので、プラスならデフレギャップ、マイナスならインフレギャップです。なぜか内閣府は金額では公表せず、パーセントだけをだします。
むろん、現在の日本はデフレギャップです。
以前にも述べましたとおり、グローバリズム(新古典派経済学)、あるいはネオリベラリズムの権化たる竹中平蔵先生が国務大臣だった時代に、この「潜在GDP」の概念が変更されています。
本来、潜在GDPは、すでに存在する労働者や資本等の設備がフルに稼働した場合に生産可能なGDPという最大概念だったのですが、竹中先生のお指図によって、最大概念ではなく、過去の平均的な労働や設備稼働率に対応するGDPという平均概念に変えられてしまいました。
最大概念の潜在GDPだとデフレギャップが大きくなってしまうため、デフレギャップを少しでも小さく見せたいがために平均概念に変更したのだと言われています。
過去のリソースの平均的な稼働率を潜在GDPとしてしまうと、デフレギャップは実態経済を無視して年々縮小していくことになります。実際にはデフレギャップがあるのに、指数としてはデフレギャップは存在しない、という状況になります。
したがって、現在の内閣府が発表するデフレギャップは実態に比べて、かなり低く見積もられていることになります。
昨日、内閣府が発表した最新の数字をもとにグラフ化すると、
1-3月期のデフレギャップは5.9兆円ということです。
くりかえしますが、平均概念の潜在GDPという少なめの数字ですら約6兆円のデフレギャップが生じているということです。
もしこれで、総理のいう財政出動の規模(補正予算の規模)が6兆円以下であったとしたなら、唖然とするほかありません。