家計の消費支出に占める食費の割合をエンゲル係数といいます。
そのエンゲル係数が、ここのところ上昇しています。とりわけ、消費税を増税した平成26(2014)年4月以降の上昇が顕著です。
総務省がまとめた家計調査によると、平成25(2013)年まではエンゲル係数が25%を超える月はほとんどありませんでしたが、平成26(2014)年に入ってから25%を超える月が増え始めており、昨年になるとその傾向がさらに顕著になりました。
デフレに突入して本年で19年目です。一昨年の消費増税はそれに追い打ちをかけました。
長引くデフレと、それによる実質賃金の下落の影響が、ついにエンゲル係数の上昇にまで及んでいます。また、いわゆるグローバリズムという株主資本主義が実質賃金を下げる要因であることも否めません。
日本経済の最大の課題がデフレとグローバリズムにあることを、ここのところのエンゲル係数は示唆しています。