『時代は再び第一次世界大戦前~日本よ、備えはあるか』
第16回
昨日(第15回)は、シナ経済の失速について触れましたが、我が国経済も極めて深刻な状況です。
構造改革派や緊縮財政派などの、いわゆるグローバリズム派たちは、「アベノミクスはうまくいっている」と言いはっていますが、それは、彼らのビジネスが現在のようなデフレ(賃金の低下)状態にあるほうが儲かるからです。
第二次安倍内閣が発足して以来、確かに株価は上昇しています。とはいえ、モノやサービスの購入が盛んになったうえでデフレが解消され、インフレ率の上昇とともに実質賃金と実質消費が増え、その結果として企業利益が拡大し、配当金も増えて株価が上昇している、ということでは全くありません。
下のグラフのとおり、株価の上昇とは裏腹に実質賃金は下落しています。
なんと、第二次安倍内閣発足以来、実質賃金はおよそ5ポイントも下がっています。
デフレの恐ろしさは、ただ単に物価が下落することではありません。それにより実質賃金が下落して国民を貧しくしていくことです。結果、国家にとって虎の子の生産(供給)能力が毀損されていくことになります。この事こそ、まさに国力の低下です。
あまつさえ、賃金(労働分配率)の低下はグローバル投資家らへの配当金を増やし、緩和マネーが実体経済に向かわず株式市場などの金融経済に向かうことによって、彼らは更にキャピタルゲインというボーナスまでをも手に入れることができるのです。
まさにグローバリズム万歳経済です。