あらたまの年を迎え、皆様のご清祥を心よりお慶び申し上げます。
いつも眺める富士山も、年があらたまった、という感慨をもって見ますと、まるで別世界の新鮮さを思わせます。古来、日本人はそれを初富士と呼んでまいりました。
一方、京都を中心とした関西では、元旦に見る比叡山を「初比叡」と呼ぶそうです。元日に眺めるその端麗な姿をたたえ、東の初富士に呼応する季語にもなっています。まさに悠久の歴史から生じた日本独特の文化そのものです。
さて、旧年の平成18年は、
私ども川崎市民にとって、実は大きな分岐点でありました。なぜなら、松沢しげふみ県知事(当時は衆議院議員)が阿部孝夫さんを市長に擁立していなければ、昨年の平成18年に川崎市は夕張市とおなじように財政再建団体に転落していたからです。阿部市長の誕生がそれを回避せしめました。しかし、進みだした阿部改革も未だ道半ばです。一期目の4年間は、専ら旧政権の負の遺産を処理することに費やされ、その労は二期目に入った今も続いています。
私も、この4年間、既得権益の打破をテーマに議会の中で闘ってまいりました。
とりわけ、福祉、教育、組織体質の点において、革新時代に蓄積された既得権益が胚胎しています。その点、議会を含めた行政改革、歪んだ福祉行政の是正、教育の正常化、遅れた社会資本の整備こそ、川崎市政の最重要課題であると考えます。
ことし平成19年は、川崎市にとっても私にとっても、乾坤一擲の勝負の年です。私はむろん迷うことなくルビコン川を渡る所存です。
心より一層のご教導をお願い申し上げます。
※ルビコン川とは、古代ローマ帝国のジュリアス・シーザーが国禁を犯して越えた川のこ と。シーザーがルビコン川を渡ったことによりローマ帝国は内乱に突入する。ついにシーザーは内乱を勝ち抜き、帝国を共和政から帝政へと変革させることに成功した。その後、あくまでも元老院主導の共和政を望む勢力によって、シーザーは暗殺されることになる。