正月の初夢については、大晦日、元日、二日、節分など、時代によって変わっているが、現在では正月二日の晩の夢をいうようである。
初夢で吉とされているものに一富士、二鷹、三茄子がある。これらは徳川家発祥の地である駿河の名物をあげたものらしい。
先日、
「夢を見るのは人間だけ」
というコピーライトを見つけた。生物学的には間違っているが、社会学的には正しい。知的予測能力があるのは人間だけの特色である。しかし、人間の持つ予測能力がいつも良い方にだけ作用するとは限らない。例えば、悪い未来の夢におびえ、他人の攻撃を予想して過剰なまでに防衛し、ときには相手の復讐を恐れて無用な殺戮を行ったりもする。
夢の無い人生はつまらない。
未来に展望を持たない組織は必ず廃退する。だからこそ、人間は個人としても組織としても、常に夢を持つべきだ。だが、その夢が時として悪しき予想につながり、悪しき行動を招くことをも忘れてはならない。
夢を追求する向上心と、夢を制御する自制心とを併せ持った人間でありたい。