◆川崎市の道路整備について
○川崎市の道路整備は遅れています!
本市の道路整備状況は、必ずしも他都市に比べ進んでいるとはいえません。
たとえば、都市計画道路の整備率をみると、最も進んでいるのは名古屋市です。その整備率は84%、ついで札幌市の82%、全国の政令指定都市の平均値はおよそ64%です。川崎市の整備率は、その平均値を下回り59%です。
○広がる南北間格差!
その遅れている川崎市の中でも、麻生区や多摩区、高津区や宮前区といった川崎市北部の整備状況は、南部に比べて極端に遅れています。
たとえば、区域面積に占める道路面積比率を南部の幸区と北部の多摩区とで比較すると、その差は歴然とします。ほか、踏み切りの数やその遮断時間について比較しても同然の差です。
多摩区の都市計画道路の整備率は僅か46%で、4車線以上の多車線道路に限っていえば、川崎市の南部はその多くが整備されているにもかかわらず、多摩区ではなんと4%の整備率にしか達していません。距離にすると僅か2キロメートル弱の距離です。
麻生区に至っては、都市計画道路の整備率はなんと38%足らずです。
道路整備の南北間格差が広がっています。
○道路は多機能型社会資本施設!
道路整備は、単に交通流の円滑化を図るだけではありません。災害時には、避難路や救援路にもなり、また火災時には延焼の遮断空間にもなります。そのほか、公共公益施設の埋設や日照緑地等の環境形成という多くの機能をもつ道路は、市民生活に直結する最も根幹的な社会資本の一つです。国民のおよそ7割が都市に住む、いわゆる「都市化社会」を迎えた今、都市の基盤となる道路整備はきわめて重要です。
三宅隆介の提案!
提案①交差点への予算集中化で渋滞緩和…
現在の道路整備は、交差点から交差点までの一定区間を買収し拡幅するなどの整備手法をとっています。
しかしこれでは、仮に90%の用地買収が進んでも、残り10%の買収が進まないために道路の拡幅が実現されません。それまで投資した90%の資金も活かされません。結果、何十年たっても拡幅が実現されず、車線も増えず、渋滞緩和も為されない、といったケースも稀ではありません。
そこで、私は提案しました。
これまでのような、交差点から交差点までの道路の拡幅という発想を捨て、交差点そのものに予算の集中化をはかり、右折レーンや左折レーンを確保する。そのことにより、当面の渋滞緩和が保障されるのではないか。渋滞の発生要因はさまざまあるが、交差点に右左折のレーンが確保されていないために、渋滞が発生している道路も多いように思われます。限られた昨今の財政事情を勘案すれば、こうした金のかからない取り組みが必要だと考えます。
提案②道路目的財源以外にも弾力的運用を…
また、道路整備を担当している鈴木副市長に対して、次のような提案をしました。
道路特定財源や都市計画税は、少なくとも現行制度において、将来的継続的に確保されている財源です。
一方、現在のように土地の価格が低下している期間にこそ、都市計画道路用地などの取得すべき土地を、『土地開発公社』、『公共用地先行取得等事業特別会計』、『土地開発基金』などの資金を使って確保していくべきだと考えます。
これらの提案に対し、鈴木副市長をはじめ道路整備を所管する建設局長からも前向きな答弁を頂きました。
今後、具体的に実行されることを望み、注視していきたいと思います。