三宅隆介
次に、屋上緑化について、環境局長にお尋ねをいたします。屋上に限らず緑化の必要性が昨今叫ばれて久しいわけでありますが、私はいま一つ、なぜ緑化が必要なのかという議論が欠けているように思えてなりません。そこで、屋上緑化を含めて緑化の必要性について、改めて環境局長にお尋ねをさせていただきたいと思います。
環境局長(川副有康)
屋上緑化を含めた緑化の必要性についての御質問でございますが、都市の緑には都市環境を維持、向上する効果を初めといたしまして、自然生態系の保全、都市の安全性の向上、良好な都市景観の形成など、さまざまなすぐれた効果がございます。また、四季の移ろいを感じさせてくれたり、気持ちが安らぐなど、精神的な面からも大きな効果があるところでございます。したがいまして、本市のように稠密な土地利用がなされております都市におきましては、建物の屋上を含めて可能な限り緑化を推進し、緑と触れ合える空間を確保することが重要であると考えております。以上でございます。
三宅隆介
なぜこのようなことをお尋ねしたかと申しますと、ただ漠然と緑がよいというだけの緑化、あるいは単に文明批判的な意味での緑化推進というものに大変危惧を抱くからであります。私は、人間というものは、本来、草木やお花あるいは気候によって季節を感じる生命体だと思っております。しかし、心のゆとりというものを保っていないと、それもなかなか難しいわけでありまして、緑を見ることによって、そういった人間本来の感受性を高めるからこそ緑化が必要なのであろうと思います。
一方の期待として、ヒートアイランド現象の緩和がこの屋上緑化に託されているわけでありますが、昨今目立っている都市部での局地的な集中豪雨とヒートアイランド現象との間に、果たして因果関係があるのかどうか、環境局長にお尋ねをさせていただきます。
環境局長(川副有康)
都市部での集中豪雨とヒートアイランド現象との因果関係についての御質問でございますが、平成13年10月に環境省が公表いたしました「ヒートアイランド現象の実態解析と対策のあり方について」の報告書によりますと、ヒートアイランド現象は、大気が不安定で雷雨などの局地的な雨が降りやすい状態のときに、一般に想定されるよりも激しい豪雨の発生をもたらす働きをしていることが指摘されているところでございます。そのメカニズムといたしましては、ヒートアイランド現象による局所的な高温域の出現が夏の大気をより不安定な状態にし、結果として積乱雲を発生させ、都市に局所的な大雨を降らせるというものでございます。以上でございます。