9月2日、内閣府から『消費動向調査』が、日本銀行から『マネタリーベース』が発表されました。
まず『消費動向調査』によると、平成28年8月の消費者態度指数は、42.0でした。
消費者態度指数とは、消費者マインドを指数化した経済指標のことで、通常、50が「良い」「悪い」の目安とされています。ところがなんと驚くべきことに、2006年の4月以降、我が国は50を超えたことがありません。
この調査は指数と同時に、前月と比べて数値が「良くなったのか」「悪くなったのか」の前月差も注目されます。
同日に日銀から発表されたマネタリーベース(硬貨を含め発行された日本円の合計)は404.5兆円となり、黒田日銀の量的緩和によってついに400兆円を超えました。
デフレ脱却にむけて、アベノミクス第一の矢である「金融政策」だけは着実に実行されてきました。
ところが第二の矢である「財政出動」は、いつの間にか「緊縮財政」に変わり、第三の矢である「成長戦略」はなぜか「構造改革」に変貌してしまいました。
結果、マネタリーベースだけは飛躍的に増えつつも、不足した需要(投資・支出)を満たすことができずデフレからの脱却に失敗しました。上の図の通り、消費どころか、「消費マインド」すら上がっていません。
こうした事態をうけ、ついに総理は財政出動の必要性をお認めになったわけですが、あとは規模と継続性及び対象の問題です。
本日閉幕するG20でも、おそらく「金融政策」と「財政出動」の必要性が宣言に盛り込まれることになろうかと思いますが、そこにくっついてくる「構造改革」は余分です。
構造改革はインフレ対策であってデフレ対策ではありません。