本日は敬老の日です。
多年にわたり社会に尽くしてこられた皆さまに心より感謝申し上げますとともに、併せて一層のご長寿をお祈り申し上げます。
さて、例年のように、この日になるとテレビや新聞等では「高齢者人口がぁ~」「少子高齢化がぁ~」と喧しくなります。その行間からは、「だから日本は衰退するぅ~」とでも言いたげな語調が感じられます。
もともと日本のメディアには、GHQのウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム(日本は悪かった史観の周知徹底プログラム)以来の「日本はダメ思想」が根底にあるようです。
むろんメディアだけではありません。
数年前、川崎市役所の、とある男性職員が「あの時(大東亜戦争の際)日本は戦争に負けてよかった」「だから今の平和があるんだ」と私の前で平然と言ってのけたことを今でも鮮烈に覚えています。
こうした歪んだ史観(植民地根性)は、今や歴史問題や政治問題のみならず経済問題にも波及しています。
それが、「日本は人口減少で需要が減るから衰退するぅ~」とか「移民を入れないと国が成り立たない~」とか「日本はグローバルな市場にうってでないと成長できない~」とかです。
断言します。この種の愚論を吐く人たちは、まじめに日本国のことや政治のことを考えたことのない人たちです。ただマスコミやワイドショーのコメンテーターの言っていることをなぞっているだけです。
例えば人口減少といっても、日本の生産年齢人口(15~64歳)の減少率は毎年約1%のペースですが、一方、総人口の減少率は毎年ほぼ0.1%程度です。
とすれば・・・基本的には、総人口=需要、生産年齢人口=供給なのですから、これからの日本は、需要>供給、の状態になります。そうです。需要は減らないのです。
そこで、一人当たりの生産性を向上させることができれば、充分に日本経済を成長させることが可能です。国民経済では、生産=支出=所得、という三面等価の原則があり、経済成長とは一人当たりの生産性(所得)の向上を意味するからです。
ただし、その時の絶対条件は二つ。
①外国移民を入れないこと。
②生産性向上のための投資(人材投資、設備投資、技術開発投資、公共投資)を怠らないこと。
移民を入れたら日本人一人当たりの生産性(所得)は増えませんし、投資ゼロで生産性を向上させることは不可能です。
そこでネックになっているのが、「少子高齢化で日本は財源が不足するから行政支出の無駄をなくそう」という論理(愚論)です。
無駄の定義を曖昧にしたまま歳出を削減すれば、ことごとく一律にマイナスシーリングになり、いわゆる財政収支の縮小均衡主義に陥ります。
そのことがデフレを長引かせ、企業の設備投資を抑制し、日本国民の人件費(実質賃金)を低下させています。
生産年齢人口比率の低下を、移民を入れずに一人当たりの生産性(所得)向上によって克服する。これこそが日本の進むべき道です。
その道を、愚論を振り回し危機を煽っている連中が妨げています。