山本地方創生大臣がウォール・ストリート・ジャーナルのインタビューに対し、デフレ問題に関する見解を示しました。
『デフレ脱却には賃上げが必要=山本地方創生相
http://jp.wsj.com/articles/SB11948173908644753879104582241043906456760?mod=WSJJP_Economy_4_2_Left_LatestNews
【東京】(前略)山本地方創生相は入閣後初の独占インタビューで「日本人はまだデフレ時代の心理状況から脱却してない」とし、「需要拡大政策を政府がとらなければいけない」と語った。
・・・(中略)・・・ 山本地方創生相は、日銀が2%のインフレ目標のできるだけ早い達成を目指すべきだと述べたが、そのための具体的方法への言及は控えた。』
大臣はインタビューの中で、「デフレ時代の心理状況から脱却していない・・・」と現在の経済情勢を分析されています。
「心理状況から」という表現を使われたのは、デフレを脱却しつつある、という政府見解が既に示されていることに配慮したものと思われますが、要するに、未だデフレを脱却していないことを一閣僚として半ばお認めになっているということです。
その上で、需要拡大政策が必要だ、と述べられていますので、ようやく正しい経済分析が政府内にて為されつつあることに微かながらも希望の光が見えてまいりました。
大臣は、「デフレと闘う一つの方法として賃金水準を目標に掲げることを議論すべきだ」という認識を示した一方で、「日銀が2%のインフレ目標をできるだけ早く達成するための具体的方法への言及は控えた」ようですが、インフレ率を上げずに賃金を上げることはできません。
インフレ率とはモノやサービスの価格上昇率のことです。モノやサービスが売れないとインフレ率は上がりません。また、インフレ率が上がらないと賃金も上がりません。
デフレとは・・・
モノやサービスが売れない(需要不足)→物価下落→賃金下落→消費低迷→モノやサービスが売れない(需要不足)のスパイラルであり、その需要不足を埋めるのが財政出動(真水)です。
大臣がインフレ率に対する言及を避けられたあたり、おそらく今回の経済対策の財政出動規模(真水の量)では、デフレを脱出するための速度を充分に確保することはできない、と本心では思われているのかもしれません。
昨日のブログでも申し上げました通り、財政出動(政府がカネを使うこと)を殊更に嫌悪する連中が政府内にいます。またその連中に媚びを売るメディアが「ニホンはクニのシャッキンでハタンするぅ~」という世論形成を図っています。
そうした連中と、デフレ脱却のためには財政出動が必要と主張する一派との駆け引きが政府内にあるのでしょう。
とにかく、ようやくまともなデフレ対策論が政府内にでてきたことは、国民経済にとって微かな希望の光です。