話が遡りますが、去る8月12日付けの朝日新聞に以下のような記事がありました。
『閣僚の靖国参拝、中国が自粛要請 稲田防衛相を名指しか http://www.asahi.com/articles/ASJ8C53PGJ8CUHBI00P.html
中国政府が11日までに、日本政府に対して外交ルートを通じ、閣僚が靖国神社に参拝しないよう申し入れていたことがわかった。複数のの日中関係筋が明らかにした。特に稲田朋美防衛相の名前を挙げて懸念を示した模様だ。中国では終戦の日の15日に向けて参拝への警戒が高まっている。(後略)』
戦後日本では、こうした記事がさらりと掲載され、さらりと読まれ、そのまま不問にふされてしまいがちなのですが、本来は極めて大きな問題として取り上げられなければいけないはずです。
いや、国民をあげて大きな問題にしなければならないのです。
こと内政に関すること、しかも宗教という、あるいは人の心という精神的内面の問題が他国から干渉されることなど、主権国家として絶対にあってはならないからです。
例えば、イスラム圏の国家指導者に対してモスクに行くな、と他国が要請したらどうなるかを考えてみてほしい。
戦争にまで発展してもおかしくない外交問題になることでしょう。
あるいは北京政府がアメリカ大統領に対して「教会にいくな」とか「アーリントン墓地に行くな」と言ったらどうなるか。
1648年のウェストファリア条約以来、他国の宗教問題には絶対に口を出してはいけない、というのが国際的コンセンサスになっています。
ウェストファリア条約は、国際政治に宗教問題を介在させたことで必ず悲惨な結果をもたらしてきた、という歴史の反省から生まれた条約です。
よって、戦後の日本に対して執拗に行われてきた靖國神社参拝への他国からの干渉は、ことごとくウェストファリア条約に反するものです。
また、こうした国際常識として全くありえない屈辱的干渉を受けても、何も反論しない(できない)国は恥ずかしながら戦後日本ぐらいなものです。
一方、靖國神社というと、すぐに「A級戦犯がぁ~」という理由で、嬉しそうに参拝を見送る政治家たちがいます。たしか民進党の前原何某もそうだったかと・・・
この種の人たちは自分が無知を曝け出していることにいいかげん気づいたほうがいい。
選挙目当てのお祭り回りに熱心になる前に、まず『サンフランシスコ講和条約』の11条だけでもじっくり読んでみたらどうか。そのうえで今度は「極東軍事裁判所条例」の第5条も読んでほしい。
そうすれば「A級戦犯」とは何か、少しは理解できるはずです。