我が国の経済を蝕んでいるものの一つに、インチキな財政破綻論があります。いわゆる「ニホンはクニのシャッキンでぇハタンするぅ~」思想です。
100%自国建て通貨で発行した国債を90%以上国内で消化している日本。他国を圧倒する経常収支の黒字国で、今や対外純資産は世界一。
そんな日本が財政破綻(デフォルト)する可能性はゼロ。
なのに・・・巷では「日本もギリシャと同じようにぃ~」的な世迷い言が蔓延って久しい。ギリシャは100%外国通貨(共通通貨ユーロ)建ての国債を外国の銀行に売っていました。しかも経常収支は常に赤字(特に対ドイツ)。
ギリシャの事例をもちだして日本の財政問題に当て嵌めることだけでも恥ずかしいことなのに・・・
「日本もギリシャみたいにならないように、無駄な公共事業は止めるべきだぁ」などと、政治のプロフェッショナルであるはずの議員や自治体の長までもが恥じらいもなく公言して憚らない世の中です。
デフレ期であるにも関わらず、あまりにも国(中央政府)がプライマリー・バランス目標に固執するものだから、それにつられて各地方自治体までもがプライマリー・バランス目標に縛られて、緊縮財政主義(インフラの貧困化)にひた走っています。
このような状況で、地方創生などできるはずがありません。
以前にもご紹介しましたとおり、近年、川崎市では入札の不調が相次いでいます。役所の提示する設計単価が実体経済に合わなくなっているからです。
例えば建設業界だけをみても、長引くデフレによって供給能力は毀損されつづけ、併せて社会全体としての生産年齢人口比率そのものが低下したことなどから民間の設計単価は上昇しています。
先日(7月22日)も、「かわさき北部斎苑」の増築工事の入札(一般競争入札)で、条件を満たす応札が無かったことから入札不調となり付帯工事も含めて入札中止になりました。
デフレ前提で予算を組み、デフレ前提で設計単価を積算しているかぎり、地方行政における入札不調は今後とも増えていくことになるでしょう。