今年(平成28年)1月1日時点の住民基本台帳人口・世帯数、及び都道府県別人口動態の総計で、都道府県ごとの人口増減率(昨年一年間)をみますと、47都道府県のうち、東京圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県)と愛知県と福岡県と沖縄県以外は、ことごとくマイナスでした。
プラスとなった東京圏、愛知県、福岡県、沖縄県の増加率をみますと、
東京都 0.89%
神奈川県 0.29%
埼玉県 0.25%
千葉県 0.19%
愛知県 0.26%
福岡県 0.04%
沖縄県 0.50%
という状況で、東京圏への人口集中が相変わらず続いています。
東京圏には約3500万人の人口が集積しており、これだけの人口を抱える首都圏は世界に類例がありません。
この東京圏では、近い将来ほぼ確実にくるであろう首都直下地震によって恐ろしい被害状況が想定されています。ある意味、この巨大首都圏がどのようにして震災被害を最小化するのかを世界が注目しています。
国土全体が火山帯の上に乗っている国は、世界広しといえども我が国とイタリアの二か国くらいです。しかし統計的にみると世界の自然災害の約60%は東アジアで発生しており、また日本の国土面積はわずか0.28%しかないにも関わらず、世界で発生するマグニチュード6.0以上の地震の約20%が日本及びその周辺で発生しています。そのことから、我が国はイタリアをしのいで世界最大の自然災害大国といっていい。
こうした自然災害大国において、東京圏という一つの地域に約3500万人もの人口を集積してしまったのは国土政策上の失政だったと思います。総人口が減少しているにもかかわらず、未だ東京圏に人口が集中しているのです。
自然災害大国の日本では、人口はなるべく分散しなければならない宿命にあります。その意味で、いま政府が進めようとしている地方創生は重要な国策です。つまり地方創生は地方のためだけでなく、東京圏の震災被害リスクを回避するためにも必要な政策でもあるのです。
上のグラフをみても明らかなように、東京圏への転入超過数は他を圧倒しています。くどいようですが、このことは東京圏の防災リスクの高まりでもあります。
地方はともかくも、3大都市圏(東京圏、名古屋圏、大阪圏)のうち、名古屋圏や大阪圏への転入超過はあまりにも少なすぎると思います。
とくに大阪の経済疲弊は深刻で、ほんきで再生しないと益々もって大阪は衰退していく一方でしょう。現職府知事が政党の代表とやらでTVに出てきてナンチャラカンチャラ言っていますが、まずは府知事としての本分を全うしてもらいたいものです。
本日から、東京都知事選挙がはじまります。
東京圏からの地方への人口分散は、これからの都知事にとっての重要課題です。都民はもちろん神奈川県や埼玉県や千葉県に住む人々の震災リスクの軽減にもつながります。
東京圏から地方への人口分散は、いまや国家的命題でもあるのです。