『時代は再び第一次世界大戦前~日本よ、備えはあるか』
第14回
年頭にあたり、謹んで新春のお慶びを申し上げます。
いつもブログを読んで頂きありがとうございます。どうぞ本年も宜しくお願い申し上げます。
昨年を振り返りますと、政治の分野では何一つ良いことのなかった日本ですが、スポーツや文化の面ではうれしいニュースの多い年でした。
例えばラグビーW杯では、日本代表が強敵である南アフリカに勝利し日本中が熱狂しました。まことに輝かしい勝利であったと思います。
2011年に、なでしこジャパンがFIFA女子ワールドカップで優勝したときも、ことのほか痛感しましたが、日本が強敵に勝った、という時は必ずといっていいほど組織としての「和」を最大限に発揮した時です。
そうです。和をもって貴しとなす、の「和」です。
私のブログを読んでおられる方には、耳にタコ状態であると思いますが、初めての方もおられるかもしれませんので改めて。
この「以和為貴」はもともと『論語』の言葉であり、我が国初の憲法として有名な17条憲法の第1条にも使われています。最近では聖徳太子が実在したのかどうか議論のあるところだそうですが、間違いなく言えることは、この17条憲法をつくった人たちは「和をもって貴しとなす」の意味を完璧に理解していた、ということです。
多くの皆さんが「和」を「みんなで仲良く和をみださないように」というときの「和」と勘違いされています。
『論語』をよく読みこむとわかりますが、『論語』では、「和」を「適材適所」というような意味で使用されており、適材適所でそれぞれの個人が能力を最大限に発揮するとうまくいく、と言っています。個々の力が低くても、適材適所で能力が発揮されると「1+1=2」ではなく「1+1=10」、ときには「1+1=100」の能力を組織として発揮する、ということです。
なでしこジャパンが決勝戦で勝利した際、対戦相手であったアメリカチームの選手が、「個々の技術も体力もアメリカのほうが上手だったにもかかわらず総合力で負けた」という趣旨のことを発言しています。ラグビー日本代表も、個々の体力や腕力ではおそらく南アフリカの選手のほうが上回っていたのではないでしょうか。
実は第一次世界大戦前に日清・日露の戦役で勝利した日本もまた同様でした。日清戦争では、清国の北洋艦隊の軍艦の性能は日本の連合艦隊のそれを圧倒していましたが、我が連合艦隊は時間、空間、エネルギー、それぞれの概念を融合し、各軍艦の技術的機動性を高め、さらには攻撃対象の戦術的集約を図りました。要するに敵艦隊との性能の差を「和」の創造によって補ったのです。
日露戦争(日本海海戦)で秋山真之参謀が立案した丁字戦法もしかりです。つくづく日本は和の国であると思います。
「和」は、けっして「輪」ではありません。そして、組織として和を発揮するには、何といっても「礼」の意味を理解した強力なリーダーシップの存在が必要です。
それは、当然のことながら国家行政についても全く同様です。
今年は参議院選挙がありますが、様々な政治日程上、おそらく衆議院解散総選挙も年内に施行されることと思われます。備えある日本国をつくるために、国民として最高の選択をしなければならない年だと思います。