『時代は再び第一次世界大戦前~日本よ、備えはあるか』
第8回
グローバリズムの進展によって、「後進国」は偽装された民主制のもとに実質は帝国主義時代同様の植民地状態におかれ、一方、先進国民国家の国民は「後進国」化されています。得をするのは世界中で大量の資金を動かすことのできるグローバル投資家やグローバル企業家となります。彼らグローバリストたちは、国境無き世界において無制限にスピーディーに資金を動かすことによって利益を収奪していくわけです。
例えば、今問題となっているフォルクスワーゲン問題で、この会社の主要株主であるニーダーザクセン州やポルシェ家は今回の事件によって損害を免れることはできなかったでしょうが、その他のグローバル投資家たちは、問題発覚直後に株を売り抜けて資金を他の資産に移し替えるだけです。当然ながら、そこには愛国心も愛社精神もへったくれもありません。ただ、利益の最大化を可能にする市場に瞬時に資金を移動させることができればそれでいい、それがグローバリズムです。
しかしながら、ここにきて、このグローバリズムに陰りがでてきています。ユーロにおけるギリシャ問題や難民問題、そしてフランスでのテロリズムなど、いわゆるユーログローバリズムの融解がはじまっている、といっても過言ではありません。