『時代は再び第一次世界大戦前~日本よ、備えはあるか』
第13回
平成27年もいよいよ終ろうとしています。世界的規模からみても、本年はまさに激動の年となりました。
中東問題は、第一次世界大戦の際に締結されたサイクス・ピコ協定を彷彿させるように、まるで新たなサイクス・ピコ体制を模索しているかのような混迷に陥っています。フランス・パリでも同時多発テロが発生し、トルコ軍機がロシア軍機を撃墜するという事態まで発生しました。
EUには、シリア情勢の混迷もあって大量の難民が流入し続け、EU各国は国民国家存亡の危機に立たされています。今後は、ポーランドやハンガリーといった東欧諸国がEUからの脱退を模索する展開が予想されます。また、ウクライナ問題も解決の糸口さえ見えないままです。
南沙諸島ではシナによる人口島の埋め立てに対して、アメリカが自由航行権を主張して、米軍機を飛行させるに至りました。経済面でみても、これまで世界経済牽引の一翼を担っていたように見えたシナ経済が著しく失速しています。輸入量が前年度比で20%落ち込んでいる国が6~7%の成長など不可能なはずなのですが、かの国は平気で「今年も6~7%の成長でーす」と恥ずかしげもなく公言することでしょう。
こうした世界情勢の中、我が国では、「農協改革」「電力の発送電分離」「派遣法の緩和」「TPP合意」などなど、グローバリズムにむけた構造改革が着実に進められた悲惨な一年でした。何よりも、相変わらずグローバリストたちの喜ぶ緊縮財政路線が続いており、我が国経済のデフレ化に拍車をかけています。加えて、この暮れに来て致命的な「日韓合意」です。
このように根深い禍根を残した一年でしたが、来年こそは日本にとって起死回生の年にしたいものです。