東芝の半導体メモリーに関する研究データが、提携先の元社員によって韓国企業に漏洩されました。
日本には「不正競争防止法」という法律がありますが、企業の機密情報が海外に漏れてしまうケースが相次いでいます。漏洩者に対する罰金に上限がない米国と比べても、日本の法律は罰則が緩いために抑止力が働いていません。知的財産の海外への流出を防ぐために、漏洩者への厳罰を強化するなど一刻も早い法整備が不可欠です。
私は、川崎市議会においても、行政職員が行政情報(住基データ・社会保障データ・企業関連データ)を外部に漏洩した際の罰則が、事の重大性に比べて、無いに等しいことを再三にわたり指摘してきました。
例えば、川崎市の場合、職員による守秘義務違反や個人情報の漏洩が発覚しても、「減給」か「戒告」などの極めて軽い懲戒処分がくだるでけでそれ以上の罰則はありません。
そこで、漏洩職員の厳罰を強化するための条例やルールの制定、そしてデジタル情報処理に関する厳しい監督体制などを強化するよう当局に要請しています。
あるいは外部からサイバー攻撃を受けた場合にも、それを防御する仕組みも、発見する仕組みも、侵入を処罰する仕組みもそれぞれ不十分です。川崎市は、多摩川を挟んで羽田空港の対岸にライフサイエンス分野の「国際戦略総合特区」事業を進めていますが、ここでの研究成果を外資から守るためにも、私は「知的財産保護条例」の制定とそれを所管する「知的財産課」の創設を提案しています。
住基データや社会保障データなどの行政データも、知的財産に含まれます。そして重要な国家機密でもあります。これらの情報を守ることは政治・行政の大きな責務です。むろん、守ると同時に、それらのセキュリティを十分に確保しながら、市民生活向上のために有効的に活用していかなければなりません。