我が国以外の国々、その多くがサイバー空間を活用した情報戦にしのぎを削っている。
米国紙ニューヨーク・タイムズは22日、NSA(米国国家安全保障局)がChina(中国)の通信機器大手である華為技術(ファーウェイ)の本社サーバーに侵入し、華為技術のCEO(最高経営責任者)らの通信を監視していた、と報じた。
日本経済新聞社によれば、2007年ごろから始まった作戦で、同社と中国人民解放軍とのつながりを探ることや、同社製品を購入した国のコンピューターや通信網への侵入と監視が目的であったという。
そういえば、CIA(米国中央情報局)は「拷問」プログラムの件で米国上院の情報特別委員会で追及を受けているが、調査を進めている特別委員会の委員長スタッフが「CIAは上院のコンピュータ-・システムに不法に侵入して調査を妨害している」と告発している。
このように、米国は他国のみならず、たとえ自国の機関であっても、えげつなく不正にコンピューター・システムに侵入してくる。自らの利益になると思えば、破壊もするし、窃取もするし、攪乱もするし、悪用もする。
米国だけではない。やられた国も機関も、能力に差はあるものの負けじとやり返す。それが国際情報戦というものではないだろうか。
先日の議会で、役所の「情報管理体制」と「デジタル情報処理体制」のリスクについて質問したのも、上記のような国際的背景があるからだ。国であれ地方行政であれ、議員も役人も国際情報戦の真っ直中にあるという危機感と問題意識を持たなければならない。