昨日、安倍政権の成長戦略の素案が示された。
一方、東京株式市場では日経平均株価が前日比で518円安くなった。今年3番目の下げ幅だという。例によってメディアは、示された成長戦略の内容に迫力がなかったため「市場の信任」を得ることができなかった、という。テレビやラジオでおなじみの専門家からド素人コメンテーターまでが知ったかぶって口をそろえる。
だが、国家を運営するにあたり、株式市場の信任など全く気にする必要はない。「株価」を注視するのと「信任」を注視するのとでは全く意味が異なる。
とりわけ現在の日本の株式市場では外資が強い影響力をもっている。つまり外資が日本を揺さぶっている、といってもいい。通商政策や規制緩和などで日本からもっといい条件を引き出すために外資勢力が日本の株価を押し下げている、とみるべきではなかろうか。
安倍政権としては、参議院選挙を前にして株価を押し上げておきたいという思惑があるのだろうが、株価を押し上げるために外資の思惑に嵌るような国策はとらないでほしい。現に、昨日の市場ではヘッジファンドなどによる売りがめだったようだ。
現在の日本市場では外資の信任を得れば株価は上がる。しかし果たしてそれが国益にかなうのかどうか。むしろ外資の信任を得ない戦略で経済成長ができるなら、それこそが日本の国益だ。
ひとつだけ言えることは、上がり続ける株もなければ、下がり続ける株もない。むろんクズ株を除けば。カジノでは胴元が必ず儲けるのと同様に、株価は上げ下げを仕込むものが一番利益を得る。
その上で、どのように仕掛けられるのか、あるいは日本を守っていくにはどのような仕組みが必要なのか、それらを示すのが与野党をふくめた国会議員の役目だと思うのだが・・・