本日、2月10日は、庚午(かのえうま)です。2月最初の午の日は、各地の稲荷神社で「初午祭」が催されます。私の住む川崎市多摩区でも、中野島稲荷神社において初午祭が行われました。
稲荷神社の
総本社は、京都伏見稲荷です。その祭神が、この日、稲荷山の三ヶ峰に降神したと伝えられます。もとは稲作などの農耕の守護人ですが、商売繁盛の神として全国に広まりました。
日本の民族行事は、まこと神道に根ざしています。むろん、神仏が集合し、神社のみならず仏閣にまつわる行事も多々あります。
しかし今や、こうした伝統行事が存続の危機に瀕しているように思えてなりません。それは女系天皇を容認する皇室典範改正案が浮上しているからです。慎重派と積極派に意見がわかれ、あるいは秋篠宮家に第三子が誕生するなどで、議論はやや緩やかな方向にむかっていますが、仮にこの女系天皇が具現化すると、皇室の存在基盤が揺らぎ、ひいては神道の否定にもつながり、やがて日本社会から神道に根ざしたお祭りが姿を消してゆくのではないか、という危惧を抱きます。
たとえば、お稲荷様は「正一位稲荷大明神」ですが、正一位の位は天皇に賜りしものです。その皇室の存在基盤が揺らげば、神道の存在基盤が揺らぐのは必定です。
私は、皇室とその皇室に密接する神道こそ、日本文明の決定的要素だと考えています。その点、皇室典範改正案問題は、地域行事の問題にもつながる国民にとって身近な問題であるともいえます。
日本にあって他国には無いもの、それが皇室と神道であることを初午祭のこの日、つくづく思わざるをえない。
春浅し。