本日は、お昼の12:30から ラジオ日本(AM1422khz)「マット安川のずばり勝負」に出演します。
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さて、いつもの話ですが、昨今の日本では「ニホンはシャッキンでハタンするぅ~」や、「ジンコウがへるから、もうコウキョウジギョウはいらない~」といった2大トンデモ理論が蔓延していることで、国民を守り、生産性を向上させるための公共インフラが脆弱化しています。
内閣官房参与・京都大学教授の藤井聡先生によれば、1996年の各国のインフラ予算を100とした場合、2012年のインフラ予算はそれぞれ、ドイツが6%増、イタリアが3割増、フランスが6割増、アメリカと韓国が約2倍、イギリスとカナダが約3倍だそうです。
わが日本国は・・・
なんと52.1%減っ、です。
日本より地震の少ない国々がそれぞれインフラ予算を増やしているなかで、世界最大の自然災害大国たる日本国がインフラ予算を半分にしているのはまさに国家的自殺行為です。
ご承知のとおり、日本の国土は4つの大陸プレートが入り組む火山帯の上に位置しています。そのため、日本の国土面積は世界全体のわずか0.28%にすぎませんが、世界で発生するマグニチュード6以上の地震の約2割は日本近海で発生します。
加えて、弓型に細長い国土の中央には3000m級の山々からなる脊梁山脈が連なっており、川は山から海にむかってまるで滝のように悉く急流です。梅雨もあればゲリラ豪雨もあります。何よりも国土全体が台風の通り道であることもあって、常に水害や土砂災害に脅えなければなりません。むろん、豪雪もあり風害もあり津波もあり火山の噴火という脅威もあります。
昨年9月10日のことですので未だ記憶に新しいと思いますが、茨城県常総市で鬼怒川が決壊しました。この決壊によって11,230世帯31,398人もの人々に対し避難指示がでた一方、全壊半壊・床上床下浸水等をふくめた住宅被害は8,819件で、2名のかたがお亡くなりになっています。常総市では市域の3分の1が浸水し、4,000人以上が浸水した地域に取り残されるなどの被害もでました。
一連の被害総額は数百億円といわれております。
民主党政権時代に行われた公共事業費削減の影響だったかと記憶していますが、10億円程度の河川改修工事さえ行っていればあのような決壊はなかったとのことです。
こうなるともう自然災害というより政治的人災といってもいいのではないでしょうか。
また、インフラ整備は防災対策のためだけではなく、当然のことながら国民経済にとっては一人当たりの生産性向上のためにも寄与します。
あたりまえですよね。国民や企業の経済活動は道路・橋梁・鉄道・港湾・上下水道・電気などの公共インフラの上で行われているのですから。
企業というのも、それぞれに設備投資を行うことで生産効率を高め利益を上げていく経済主体です。ところが今はデフレという需要不足状態にあるため、なかなか設備投資は増えず内部留保が貯まっていく一方です。
翻って我が川崎市をみてみますと、デフレ期による緊縮財政主義の弊害によって本市のインフラ投資もまた抑制されてきました。
上のグラフにある土木費とは、橋梁、道路、公園、街路及び住宅の整備、市街地再開発や区画整理事業などへの支出を指します。
結果・・・下のグラフのとおり、川崎市の公的固定資本形成は増えていません。折れ線グラフが右肩上がりにならず横ばい状態となっていますが、これは川崎市の公共インフラが脆弱化していることを意味しています。
デフレ期なだけに、企業も家計も財布のひもはきつく締まっています。
そうしたなか、徴税権をもつ自治体や、徴税権どころか通貨発行権さえもっている中央政府までもが緊縮財政を行っているために、20年間におよぶ底なしのデフレ経済から脱却することができません。
我が国が自然災害大国であるからこそ、そして生産年齢人口比率が低下するからこそ、インフラへの投資が必要です。またそのことがデフレ脱却にむけた強いカードにもなります。
これらのことを、議会において引きつづき強く訴えていきたいと思っております。