昨日のラジオ出演(ラジオ日本『マット安川のずばり勝負』)をうけ、多くの皆様より激励やお褒めのお言葉を頂戴しました。心より、感謝申し上げます。
さて、番組の中でも申し上げましたが、地方行政においては全くと言っていいほどに、まともな経済分析が行われていません。まともな分析が為されていないので、まともな対策もとられていません。
そもそも、その地域の各種経済統計を精査し、数字によって経済情勢を分析するといったマクロ的視点が欠如しています。
実際、以前(議会で質問したとき)、川崎市の経済労働局という所管局の所管課は本市の消費者物価指数すら把握していませんでした。おそらく今もって把握していないでしょう。本当に、なめてます。
消費者物価指数は、モノやサービスの購入が盛んになることで上昇します。
これが上がっているのか、下がっているのか、をみることで地域経済の実態を数字として正確に把握することが可能になります。
ここでは、コアCPIという生鮮食品を除く総合でみています。なぜなら、日銀はコアCPIをインフレ率の指標にしているからですが、ご覧のとおりの惨憺たる結果です。今年に入って、一度もプラスになったことがないんです。
コアCPIにはエネルギー価格が含まれていますので、昨今の石油価格下落の要因をも考慮しなければなりませんが、それらを考慮したとしてもマイナス基調に変わりなく、川崎市の地域経済が深刻なデフレ不況の直中にあることを数字として把握できるわけです。
一方、きのう総務省から発表された全国の消費者物価指数をみますと(今回から2015年基準となりました)、これまた深刻な状況ですね。消費税増税後の数値をグラフ化してみました。5ヵ月連続のマイナスとなりました。
日銀は2月以降、民間の金融機関が日銀内にもっている当座預金の一部(政策金利残高)にマイナス金利をかけました。
金融機関は貸し出しを増やさないと損するぞ!
という半ば脅迫的政策ですが、金融機関は貸したくても借りてくれる企業や家計がいないのです。
なぜ?
デフレ(需要不足)だからです。需要不足とはモノやサービスが売れないということです。即ち、インフレ率が上がらない状態です。結果、賃金が下がり、消費が減っていく。
デフレが継続し、実体経済が悪化している国において、経営者は金利がどうであろうとも設備投資を増やしたりしません。理由は儲からないためです。
住宅ローン金利の低下によって不動産市場に少し動きがあるようですが、デフレを脱却するほどの規模ではありません。
インフレ率の上昇→実質賃金の上昇→実質消費の上昇→インフレ率の上昇
という継続的なサイクルに入ったとき、はじめて「デフレを脱却した」といえます。
デフレ脱却を妨げているもの・・・
それは、中央政府のみならず全国の地方行政に至るまでに蔓延っている家計簿ポリティクスです。
詳しくは、当ブログ2016年7月28日付『家計簿ポリティクス』をご高覧頂けましたら幸甚です。