昨日投開票された参議院選挙は、自民・公明連立与党の圧勝という結果に終わりました。というより、野党共闘の惨敗で終わった、といったほうがより正確かと思います。
もっといえば、護憲共闘の敗北!
私的には、米ソ対立冷戦構造時代の改憲・護憲論争に、もはや辟易しています。
①米ソ冷戦による国際秩序(1945→1990)
↓
②米国一極による国際秩序(1990→現在)
↓
③次なる国際秩序
現在の国際情勢は②と③の間にあります。その中で、我が国が今後いかなる国家戦略をもって臨むのか、という議論が既に為されていなければならないのに・・・
悲しいかな未だ我が国では①を前提とした憲法論議の域を出ず、三周遅れの議論を前提に選挙が行われています。
やがてくる③の時代が、第二次世界大戦以前のように再び主要国の力が拮抗する多極時代に戻るのか、あるいは新たな覇権国が現れ一極秩序を形成するのか、それとも複数の地域覇権国による国際秩序が形成されていくのか・・・
インテリジェンスを駆使してそれらを分析し、それぞれに対応可能な国策を遂行することが今求められています。
③の時代には、もはや在日米軍が日本に駐留していない可能性は充分にあります。私はむしろそうなってほしいと思っていますが、ぜひ国会においてそのことを前提にした憲法議論や安全保障議論をされたら宜しいかと思います。
もうひとつ、今回の参議院選挙で残念だったことは、あるいはそれが野党惨敗の最大の理由でもあったと思われますが、安倍政権の経済政策に対するまともな批判が全く聞こえてこなかったことです。
このブログでも散々に指摘させて頂きましたとおり、アベノミクスには様々な突っ込みどころがあるにもかかわらず、です。
あるいは移民受け入れ容認問題、TPP問題、農協問題、エネルギー問題等々、国民の生命・財産・主権に直接的にかかわる問題がこれほど山積しているのに、野党として全く攻めきれないというのはいかなることなのでしょうか。
結局、脳みその中身が①の域を出ないのでしょう。
さて、安倍総理はデフレ脱却のための財政出動を決断されたようですが、プライマリーバランスの黒字化目標を凍結しないままに、どのようにしてデフレを脱却することができるのか。もしできるのだとすれば、よほど魔法的な政策手段をお持ちになっているのでしょう、きっと・・・
そういえば選挙中、この初歩的な疑問ですら、総理や自民党にぶつけた政治家も候補者もいませんでしたね。野党の誰一人として。