グローバリズムは、その国の主権及び民主主義に制限を加え、ヒト・モノ・カネの国境を越えた無制限の移動を認めることでグローバル企業やグローバル投資家の利益を最大化するシステムです。
これを推し進めていくと、国家間の格差、企業間の格差、国民同士の格差が最大化されていきます。そのうえ、新自由主義(新古典派経済学)的な経済財政政策を強要されることになるので、域内の各国家は必ずデフレ化します。
デフレ化する上に、そこに更なる外国移民が流入してくることで、その国のネイティブ国民の実質賃金は下落の一途をたどります。
ユーロ・グローバリズムに組み込まれたイギリスもその一つです。
リーマン・ショック以降、即ち2009年の第一四半期から2016年の第一四半期までのGDP成長率の平均値をみると、ほぼゼロ成長です。2013年以降は物価も下落しはじめました。昨年からはゼロ%代で推移しています。
また、2008年から2013年までに実質賃金は8%も下落しています。因みに日本でも実質賃金は5年間で5%以上も下落しています。
デフレ化すると、実質賃金が下落して国民が貧しくなっていくだけでなく、国力の源泉たる潜在供給力が棄損されていくことになります。
イギリスがEUからの離脱を選択したことで、あたかもイギリスが孤立主義を選択したように曲解している薄らマヌケが蔓延っている昨今ですが、離脱派はイギリス国民の主権に基づいてヒト・モノ・カネの移動に制限を加えさせてほしいと言っているに過ぎません。
今後はEU条約50条の規定に基づいて離脱の手続きが進められ、更にはイギリス国民の主権に基づいて再びEU及びEU加盟各国との間に様々な協定が締結されていくことになるでしょう。