英国がEU=ヨーロッパ連合から離脱するかしないかの国民投票を23日に行うとのことです。
難民問題やら債務問題やらでユーロ・グローバリズムは明らかに瓦解しはじめていますが、英国がEUから離脱することの意味はさらに大きいのではないでしょうか。そもそも英国抜きのヨーロッパなどありえないでしょうから。
国境を否定したグローバリズムが様々な弊害と社会的矛盾をもたらし、その弊害と矛盾を克服できないままに終焉を迎えるという典型例としてユーロ・グローバリズム崩壊は歴史に名を残すことになるでしょう、きっと。
なのに、いまだ性懲りもなくグローバリズム(構造改革)に邁進している能天気な国があります。
そうです。我が国、日本です。
世界地図的にみて極東に位置した島国としての日本。世界史的にみて一国家一文明という特色を持った世界に類例のない日本。そんな日本国こそ、世界で最もグローバリズムに適していない国なのに・・・
例えばグローバル化の進展によって世界中の資金がスピーディに大量に、しかも無制限に国境を越えて駆け巡っています。いわゆるグローバル・マネーです。むろん、我が国の金融市場にも流れ込んでいます(出ていくこともあります)。
そこで我が国の株式市場をみると、円相場と株価がものの見事に連動していることがわかります。
下のグラフは、先月(5月)一ヶ月間の日経平均株価と円相場の推移です。
ご覧のとおり、円安なら株高、円高なら株安という状況です。
なぜなら、市場参加者の多くが外国人投資家だからです。
ご承知のとおり、多くの日本人は個人として株をもちません。結果、外国人投資家の売買が市場を動かすことになります。即ち、外国人投資家にとって円安だと日本株が割安、円高だと日本株が割高となるわけです。
例えば、5月9日から5月13日までの投資部門別の株式売買状況を金額ベースでみてみますと、下のグラフのとおりの割合になります。
注目すべきは、海外投資家ら(いわゆるグローバル投資家ら)は、日本政府に法人税の減税を求めていることです。
なぜ求めているかというと、法人税を減税すれば企業の純利益が増え、企業の純利益が増えれば株主への配当金が増えるからです。
その法人税減税の穴埋め財源として消費税の増税があるわけです。
そのため、彼らの手先といっても過言ではない○○証券エコノミストとか、あるいは○○証券ストラジストとかいわれる連中に言わせると、
「消費税増税の見送りで市場の期待が失望して株価は下落します」
という、ポジション・トークになるわけです。
消費税を増税なんてしなくても、財政再建(政府負債残高の対GDP比率の低下)は充分に可能であることを、彼らは本気で知らないのでしょうか。
このように我が国の政治は依然としてグローバリズムに翻弄されているのでございます。