どうやら安倍総理が本格的に消費税の再増税延期を検討しはじめたようです。
国内の識者が散々に提言してきたことには全く耳を貸さなかったのに、米国のノーベル賞学者から言われると真剣に受け止めるあたり、さすが親米家です。
タカアンドトシに「シンベイカッ!」と突っ込まれる勢いですね。
『安倍首相、消費増税先送り検討 サミット前後に判断か
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6195702
安倍晋三首相は2017年4月に予定する消費税率10%への引き上げについて、先送りも含む検討に入った。年明け以降の世界経済の変調などで、増税できる経済環境が整わない可能性もあると判断したためだ。(後略)』
というか、もし総理が言うように本当に“アベノミクスはうまくいっている”のなら、消費税の再増税延期など検討する必要なんてないんじゃねえの?
・・・と思っているのは私だけでしょうか。
昨日の朝のテレビ番組で、例のごとく新古典派経済学的な発言を繰り返す女性エコノミストが以下のような発言をしていました。
氏は、消費再増税の延期のリスクとして・・・
1.駆け込み需要がなくなる
2.日本国債の格付けが下がる
の2点を自慢げな顔で披露していました。
唖然としました。
そもそも“駆け込み需要”に期待してたの?
それに自国建ての起債で、しかも経常収支黒字国の国債がデフォルトする可能性などゼロに等しいことを、このエコノミストは知らない。
「国債の信任がぁ~」とかいう主張は、何が何でも財政出動させたくない連中(デフレ容認派)の詭弁にすぎません。
だいたい「格付け会社」なる金融暴力団など無視していればいい。
2014年4月の消費増税前には、たしかに駆け込み需要がありました。下のグラフは民間最終消費支出、いわゆる個人消費の推移です。四半期ごとの実質値でみています。
ご覧のように、増税直前の四半期をみると前期比で7兆円以上も増えています。ところが・・・
増税後は、明らかに個人消費が落ち込んでしまいます。昨年の10-12月期は2013年の同期に比べて10兆円以上も落ち込んでいます。
このことが一人あたりの実質GDPを押し下げ、実質賃金の低下をももたらしたのです。つまり国民を貧困化に追い込んだのです。
「でも、株価は上がってたぞ」とかいう間抜けさんのために言っておきますが、株価が上昇したのは金融緩和による円安によって外国人投資家が日本株を買い増しただけのことであって、実体経済(国民経済)とは関係のない話なのですよ。
政府に需要創出の意思もなく、その上に消費税を再増税すれば、更なる実体経済の悪化は避けられません。
少なくとも、個人消費を2013年の10-12月期の水準に戻すためには、消費再増税の延期どころではなく、再増税の凍結、もしくは減税が必要です。むろん、財政出動も。
それを提言してくれる米国教授はいないでしょうか。必ずどこかにいるはずです。きっとどこかに・・・
どなたかご存知ありませんか?