主権とは自己決定権のことである。我が国は主権国家である以上、歴史認識においても自己決定権を有し独立していなければならない。
しかし残念ながら・・・現在、我が国の歴史教科書の記述をみると、とりわけ近代史において自己決定権は全く行使されていない。
例えば、朝鮮半島と我が国との関りについての記述、その一点だけをみても、極めておぞましい記述となっている。我が国の朝鮮統治を極悪非道の所業として描きつつ、一方、ヨーロッパ諸国がアジアやアフリカや中南米で行った侵略と征服による搾取体制であるところの植民地統治については、その実態を隠蔽し、我が国先人が目の当たりにして強烈な危機感を抱いた当時の実態、今日まで続き低迷の原因をなした収奪の残酷さなどを、しっかり次世代に伝えようとしていない。
このため、我が国の子供たちは、明治日本が船出させられた世界の厳しさや、その中で独立日本を維持することや、主権を持ち続けることの困難さを理解することができずにいる。これでは先人への敬意も、自己への誇りも、そして何より困難を克服して成功を掴み取る気概も育つわけがない。
このことは、米国およびGHQが日本を占領統治した際に遂行した「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」の影響が大きい。
「ウォー・ギルト・インフォメーション・プログラム」は米国が日本を統治するにあたって、日本人に罪悪感を植えつけ、日本人を劣等化させるための情報戦略だった。その目的は、日本が二度と米国の脅威とならないようにすることだったろう。これをGHQの民間情報教育局が遂行した。つまり、「教育」と「情報」を押さえて日本人の頭の中を支配し、戦後教育を受ける日本人を洗脳したのである。
米国は戦争中から日本支配の計画を練っていた。
例えば米国国務省は、昭和18年に『平和と戦争』というタイトルの米国側からみた戦争史を編纂していて、日本を占領するや否や、文部省にこの『平和と戦争』を教材として使うように命令している。この占領国史観を国民に刷り込むのに大変貢献したのが、朝日新聞、NHK、日教組、歴史学研究会などだ。とりわけ歴史学研究会は、米国(GHQ)製の戦争観を日本国民に植えつけるために米国に利用された団体のことで、その構成員の多くが左翼マルクス史観の団体だ。この団体が日本の戦後の歴史教科書をつくるにあたって指導的な役割を果たしてきたのである。反米に熱心な勢力が、実はGHQの手先だったのだから滑稽だ。
戦後の日本人の戦争観が米国製となってしまったのはこうした経緯があってのことだ。戦争利得者という言葉があるが、最もいやしむべきは敗戦利得者だ。昨日までの敵に迎合し同胞を売り、それまでの主張を正反対にしても恥じない連中だ。戦後の日本の歴史教育というのはこの敗戦利得者たる左翼マルクス主義者がGHQの傀儡として推進してきたものだ。
本来は国会議員がこうした事実を認識して、教育を改めていくべきなのであるが、残念ながら今の国政にはこうした動きは皆無である。そもそも、こうした日本になったこと自体が占領政策の目的が達成された証左でもあり、我が国が主権を回復していない証拠でもる。この歴史主権の回復、情報主権の回復は、もちろん国家の仕事であるが、地方自治体の長も議員も職員もそれぞれの立場でこの大事業に取り組むべきである。
さらに我が国の教科書では、シナ中華史観も、捏造小中華史観もそのまま無批判に教えられている。
そのことが次世代の日本人を明らかに劣化させている。昨年12月9日付けの毎日新聞の朝刊において、あるモンゴル人が「中華ナショナリズムの危うさ」という小論を書いており、まことに興味深く読んだ。ここでは割愛するが、ぜひ一度読んでもらいたい。
例えば南シナ海におけるシナの振る舞いは、まさしくシナ中華史観を根拠にしており、けっしてシナとベトナムといった二国間問題ではない。しかし日本ではこうした認識が乏しい。まともな歴史教育が行われていないからだ。
尖閣の事件以来、日本企業がシナで様々な妨害にあっている。これまでもあったことだが、ようやく顕在化してきたにすぎない。彼らは道理が立たなくなると歴史を持ち出す。日本の企業家はろくな歴史教育を受けてないので、位負けして言いなりになってしまう。表には出ない損害がどれだけあるかわからない。
歴史主権を放棄し、GHQやシナ朝鮮のゆがんだ捏造史観で教育を行っていることが、政治、外交ばかりか経済でも負けて衰退に追い込まれている根本的な原因だ。本市が外国人(そのうち6割以上がシナ人とコリア人)に甘いのも、主権国家に相応しい歴史認識を、事にあたる者がもっていないからだ。そのために、正しい意味での川崎市民(日本国民たる川崎市民)に犠牲を強いている。