現在、川崎市には、24,000人ほどの生活保護受給者がおられます。そして、毎年410億円(国庫補助を含めて)を超える扶助費を支出しています。
むろん、生活保護制度は、社会保障制度における最終最後のセーフティネットであり、真の生活的弱者にとって、必要不可欠な制度です。そのことについて何ら異論を唱えるつもりはございません。
しかし・・・
残念ながら、一部の受給者の中には、本来受給すべきでない人がこうした制度に甘んじているケースも稀ではなく、真の社会的弱者が真に救われていない一面があることも事実です。
川崎市の保護率は、横浜市や東京都に比べると、非常に高くなっています。保護率というのは、人口1,000人に対する被保護人員の比率です。その係数はパーミルで表されます。その数値は平成17年7月1日現在で、
川崎市 17,9パーミル
横浜市 13,4パーミル
東京都 15,3パーミル
なお、生活保護には、日常生活の基本的な部分を支える生活扶助のほかに、医療扶助や住宅扶助、教育扶助、出産扶助、介護扶助、さらには葬祭扶助や生業扶助など様々な扶助が存在し、こうした扶助を含めると、一人当たりの平均受給額は、月額およそ15万円となります。一世帯あたりの平均でみるとおよそ21万円となります。これはあくまでも人数で割り出した場合の数字ですが。
ただ、老齢基礎年金は40年間納めても受給できる金額は月額およそ66,000円です。働いてまじめに年金を納めるよりも、働かずに生活保護を要領よく受給することができれば年金以上の生活費が保証されてしまうことになります。
なぜ、このように川崎市の生活保護における保護率が東京都や横浜市に比べ高くなってしまうのか、が問題です。
私はその原因のひとつとして、川崎市における生活保護担当セクションの人員配置の問題を挙げたいと思います。本市の場合、申請者の査定にあたって、厳選なるチェック機能が働いていないのではないか、ということです。たとえば、お隣の横浜市では、こうした生活保護を担当する部署の職員には経験豊かな職員(ケースワーカー)を配置して、厳選なる査定を行っています。
それに対し、川崎市の場合、その担当部署のおよそ75%以上が、在職3年未満の新人職員です。また、55%以上の職員が20歳代の若手職員ということです。
川崎市の高い保護率を適正な水準に改善するため、以下、市議会において提案しました。
①担当部署には、経験豊富なベテラン職員(ケースワーカー)を半分以上配置すること。
②例えば医師、弁護士、福祉の専門家、公募市民などで構成された非公開の第三者機関(ボランティア)を設置して、その認定にあたっては客観的基準による厳選なるチェック機能を果たすこと。
まじめに働き、まじめに税金や年金を納めた人が報われる、当然の社会を築いていかなければならないと考えます。
以上、生活保護制度の健全化にむけて・・・