三宅隆介
次に、救急医療につきまして、健康福祉局長にお尋ねをさせていただきたいと思うんですが、救急医療は市民生活の基本的なセーフティーネットだと思います。平成14年度ベースの川崎市の統計を調べますと、およそ20万人の市民が救急外来を利用しているわけであります。これは御承知のとおり、救急施設は初期と2次と3次のこの3つの施設に分けられるわけでございますけれども、とりわけ、いわゆる重症度の患者の多くは、この2次救急施設による救急処置を受けているということでございますけれども、そこで、この2次医療施設の受け入れ体制が本当に十分であるのか、確認をさせていただきたいと思うんです。
これはある新聞社の調査なんですけれども、全国の2次救急施設の60%の施設が何と1人で当直をしている。そして、この17%が研修医1人による当直をしているという実態が明らかになりました。救急医療では、気道確保という、気管挿管とも言うらしいんですけれども、基本的な救急処置があるわけなんですが、気管の中にチューブを入れて酸素を送り込んで呼吸を確保する、こういう基本的な処置があるんですけれども、中にはこの基本的な処置すらできない当直医がいる施設もあったということでございました。なお、研修医のおよそ半分の方々がその気道確保の処置を1人で行う自信がないと、こういうアンケート結果もあったそうでございます。つまり、救急医療についてはその病院によってかなり運任せのところがありまして、運ばれた患者さんも、これはスイカを買って甘いとかなんとかいう問題じゃありませんので、運任せというのはあってはまずいと思うんですね。これは間違いなく言えることは、今現在、どの2次施設にも救急専任の医師はいないというのが実態で、極端な話、救急医療は片手間でやっているというのが今の病院の実態だと思います。命の危険にさらされた重症患者が体制の手薄な2次救急施設に日常的に運ばれているとしたら、これは大変大きな問題だと思うんです。3次施設は、本市においてはマリアンナさんしか今のところないわけですね。救急医療は市民にとって基本的なセーフティーネットと位置づければ、やっぱりしっかりと行政として把握をしまして、事前に改善すべきところは改善をすることが必要だと考えますけれども、行政として、この救急体制の実態調査をしっかりと行っているのか、局長にお尋ねしたいと思います。
健康福祉局長(石野厚)
2次救急医療体制についての御質問でございますが、2次救急医療施設の実態把握についてでございますが、当番日の病院名や毎月の救急取扱患者数の報告を受けているほか、特に小児科に関しましては、川崎市小児救急医療連絡協議会におきまして、医療機関相互の円滑な連携を図るために、小児救急の具体的な事例に沿った課題等につきまして協議を行っているところでございます。
なお、平成12年12月の医師法改正によりまして、平成16年4月から新たな医師臨床研修制度が導入されることになっております。この改正によりますと、診療に従事しようとする医師は2年間は救急部門での研修を含む臨床研修を受けなければならないとされており、かつ研修中は臨床研修に専念することとしております。したがいまして、臨床研修制度の充実によりまして、御指摘の救急医療に従事する医師の質の向上が前進するものと受けとめております。いずれにいたしましても、本市といたしましては、市民医療にとりまして安心と信頼に支えられたこの救急医療体制の機能が十分発揮できますよう、今後とも関係機関と協議をするとともに、恒常的な実態把握に努め、さらなる充実に努めてまいりたいと思います。以上でございます。
三宅隆介
先日、私、ぐあいが悪くなった上で、試しに救急外来に行ってみたんですけれども、たまたまお医者さんがいませんでした。1人看護師さんがいらっしゃいまして、看護師さんが多分お医者さんに言われたんでしょうね、とりあえず点滴を打てと。こういう指示があったみたいで、点滴の針を私の腕に刺そうとしたんですけれども、私、たまたま、なかなか血管が出にくい体質もあるんですが、何と3回か4回失敗しまして、針を入れちゃ抜いて、針を入れちゃ抜いて、三、四回右手でやられまして、今度は左手の方にまた2回か3回刺されました。あげくの果てに、手の甲の血管に刺してもらったんですけれども、昆虫採集じゃありませんので、僕も何本も針を刺されちゃかなわないですよ、局長。それで、その看護師さんはこうおっしゃっていましたよ。「ごめんなさい。私、夜勤ぼけでぼけちゃっているから、運が悪かったと思って勘弁してくださいと」、こう言われまして、僕はたまたま点滴だったからよかったんですけれども、やっぱりこうした運任せというのは本当によろしくないと思うんですよ。
今まで行政は初期と2次と3次、それぞれの施設の振り分けといいますか、ただ単に数合わせをしただけで、救急医療とは何かという定義をあいまいにしたまま、片手間で救急医療をやらせているというのが大きな問題だと思うんです。やっぱり研修医が1人で当直している病院に命を託したいと思っている患者さんなんていうのはいないと思うんですね。ぜひ運任せの救急医療を改善してもらいたいと思いますし、国や県にも強く働きかけていただきたいということを要望させていただきたいと思います。