昨日は2016年1-3月期のGDP速報値が発表されました。
実質GDPの成長率は、対前期比で0.4%(年率換算1.7%)。どうやら、閏月分を差し引いてもマイナスにはならなかったようです。首の皮一枚の差で、安倍内閣は「憲政史上初2年度連続のマイナス成長」という汚名を回避しました。
しかしながら、総理はホッとしているのかもしれませんが、国民経済のデフレ化は依然として深刻です。
2014年4月の消費税増税(5%→8%)後の企業設備投資をみると、黒田日銀の期待インフレ率理論をあざ笑うかのように増えていません。
もっと惨憺たる数値は民間最終消費支出、いわゆる個人消費です。
下のグラフのとおり、個人消費は2年度連続のマイナスです。
これをみるだけでも、消費税の再増税などありえない話ですね。
一方、興味深かったのは株式市場です。
GDP速報値の発表を受けてなのか、取引開始後いきなり下落、前場のうちに買い戻されて今度は16,800円近くにまで上昇。後場はまた280円ちかく下げて、結局、終値は前日とほぼ変わらず。
○○エコノミストの皆さん、今回のGDP速報値の結果を「シジョウ」がどのように判断したと理解すべきなのか、ぜひ教えてください。
私はここで、株価の動向がGDP速報値の発表だけで左右されているなどというつもりは毛頭ありません。が、この世界が少なくとも実体経済の動向とは無関係に動いている世界であることを痛感します。
ユージン・ファーマという経済学者(新古典派)によると、バブルだろうとバブルが弾けようと、株式市場の価格は常に適正価格なのだそうです(『効率的市場仮説』)。
なんでも首相執務室には、日経平均株価をタイムリーに把握できるディスプレイがあるらしいのです。(注:確認したわけではないので、噂話の類かもしれません)
これまで、新古典派的、あるいはネオリベラリズム(新自由主義)的な政策を次々に繰り出してきた安倍総理のことです。噂は意外に本当かもしれません。