安倍政権が円高・株安に窮しています。
『円高急進で政府に緊張感、対策効果に減殺懸念 政局判断にも影響
http://jp.reuters.com/article/abe-idJPKCN0X40EU
急激な円高進行に対し、政府・与党内には緊張感が台頭してきた。株安を伴って企業や個人の心理を冷やしかねず、これから繰り出そうとする大型の経済対策の効果を減殺しかねないためだ。また、株安が止まらない場合、与党内で根強くささやかれる衆参同日選の判断にも影響しかねないとの声も出てきた。(後略)』
「アベノミクスによって税収は増えましたっ!」と、安倍総理および自民党関係者は盛んに喧伝してきました。
とはいえ、その税収増の実態はデフレ脱却によるものではなく…
金融緩和→円安→輸出企業の額面上の利益の拡大→税収増
…というプロセスでした。
下のグラフのとおり、現に実質輸出は名目輸出ほどに増えていません。
実質輸出の伸びよりも名目輸出の伸びが大きかったのは、円安の結果です。
円安はアベノミクスというより、黒田日銀の金融緩和によってもたらされました。しかもその間インフレ率がゼロであることから投機的な円安かと推測されます。
ここにきて、アメリカFRBの利上げペースの鈍化、新興国経済失速による円キャリートレードの巻き戻しなどが重なり円が買われており、総理ご自慢の株価まで下落しています。
たまたま円安で名目輸出が伸びたにしても、そこそこの税収増とそこそこの株高、そして消費税再増税の延期という3点セットでの衆参同日選でも目論んでいたのでしょうか。
しかし、ここにきての円高で株安となり、このままでは2016年度の税収も減少する可能性もでてきました。となると、争点となりうるのは「消費税再増税の延期」だけとなります。そのネタだけで衆参同日選はうてないでしょう、きっと。
ちなみに川崎市の税収構造も、名目輸出額に左右される構造となっています。このままいくと本市も税収減となります。
安倍内閣におかれては、ぜひともデフレ脱却のための適切な措置をお願いしたいと思います。