公的年金積立金の株式運用比率を増やす増やさないの問題については、過日もとりあげましたが本日も。
『公的年金運用で対立 野党と厚労相、株比率拡大巡り
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS08H44_Y6A400C1PP8000/
公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の2015年度運用実績を巡り、政府と野党の対立が続いている。GPIFは15年度に5兆円程度の損失を出す見通しで、野党は国内外の株式を2倍に増やす14年10月の運用改革が損失の原因と批判している。一方、塩崎恭久厚生労働相は8日「利回り確保する対案を示すべきだ」と反論、議論は平行線をたどっている。(後略)』
あのアメリカでさえ、株式での運用などしていないのに・・・なぜ日本がっ?!・・・と、まずは突っ込みをいれておきます。
下のグラフは、先日も掲載したものですが…改めて。
結局、この問題の背景には、
1.グローバリズムへの信奉
2.日本の財政問題への誤解
の二点があります。
たちが悪いのは、追求する野党側にもグローバリズムへの信奉と、日本の財政問題に対する誤解があることです。
例えば保守も左翼も、本来であればその思想的背景からグローバリズムには反対のはずなのですが、なぜか日本では両者ともにグローバリズムを信奉しています。
日本の左翼の皆さんはご存じないかもしれませんが、ヨーロッパなどの左翼はグローバリズムには反対しているんですよ。当たり前ですが・・・
日本の左翼がグローバリズムを信奉する理由は、おそらくグローバリズムが国境を否定する思想だからでしょう。国境を否定した共産主義にひかれたように彼らはグローバリズムにひかれるのではないでしょうか。
しかしそれはグローバリズムの一面しかとらえていない極めて短絡的な見方です。なぜ、ヨーロッパなどの左翼が反グローバリズムであるのか、我が国の左翼の皆様にもよくよく考えてもらいたいものです。
そういえば、保守を標榜している我が国の総理も、ニューヨーク証券取引所で次のようなスピーチをしていましたね。
「もはや国境や国籍にこだわる時代は過ぎ去りました」
きっと、鳩山由紀夫が小躍りして喜んでますぞ!