株主利益の最大化を目的とするグローバリズム。
その目的を達成するための手段が、いわゆる構造改革!
「政府はできうる限り小さく・・・」
「民間にできるものは民間に・・・・」
「岩盤規制を破壊して経済成長を・・・」
1990年代以降から、我が国ではこうした構造改革が進められてきました。
例えば、労働法制が緩和され続けてきた結果、「雇用の流動化」の名のもとに非正規雇用の割合は増えました。
正規の割合が減り、非正規の割合が増える。
その分、人件費は安く抑えられ、その企業の純利益が増えます。即ち、株主への配当金が増えることになります。これが構造改革です。
自然、人件費を安く抑えられた労働者の賃金は下がり、消費が抑制されデフレ(需要不足)化します。
デフレ→物価の下落→実質賃金の縮小→需要不足(デフレ)
というスパイラルになっています。
実際、第二次安倍政権以降だけでも実質賃金は5%以上も下がっています。
昨日の毎日新聞によれば、
『私立保育園 保育士30人退職 太宰府市が立ち入り調査
http://mainichi.jp/articles/20160610/k00/00e/040/230000c
福岡県太宰府市は9日、同市吉松の私立筑紫保育園で2015年度に30人の保育士らが辞めるなど人事管理に問題があるとして、県と立ち入り調査したことを明らかにした。市議会にも9日、「保育園の運営について行政の積極的な指導を求める請願」が出され、議長に約2600人の署名も渡された。(後略)』
保育行政については諸課題が山積していますが、なんといっても保育士さんたちの待遇改善が必要です。たとえ正規職員であっても他の産業に比べて給与水準の低い現状をまずは早急に改善すべきだと思います。
現在、都市部の自治体は、いわゆる待機児童問題を抱えていますが、そもそもデフレを脱却すれば待機児童問題は解消されるはずです。
なのに・・・デフレ化を進め、労働者の実質賃金を下げることにつながる「構造改革」を推進しているのですから暗然とします。
今一度、「構造改革」なるものが、これまで本当に国民を豊かにしてきたのかどうか、国民一人ひとりが真剣に考え直すべきときだと思います。