米国という国は、第二次世界大戦が終了して以降、冷戦時代は西側の、冷戦以降は世界の覇権国として振る舞ってきました。
その善悪は別として・・・
最近、その米国が覇権国としての役割を演じきれなくなってきたことが、世界各地において地政学リスクを高める要因になっています。
とはいえ、未だ彼の国は国防、食料、エネルギーの分野ではその自立性を高め、自給力という意味において充分なる余力を持ち続けています。米国が覇権国としての意思を失うことがあっても、これらの自給力を弱体化させることだけは決してないでしょう。
なぜなら、この三つ(国防、食料、エネルギー)は国家存立の基盤だからです。
翻って考えてみますと、なるほどこの三つの分野において悉く外国に依存してきたのが我が日本国です。
ただ我が国の場合、国民の努力とは関係なく国土的条件からして近代国家を運営するに必要な天然資源が充分ではありません。そのことが大東亜戦争勃発の一因でもありました。
したがって、エネルギー分野において外国に依存することは、環境的制約のある日本国としてやむをえないところです。
しかし、国防や食料の分野については国民の意思と努力の問題となります。
例えば食料自給率をみますと、
という、上のグラフのような状況です。
とりあえず、おコメだけは何とか高い自給率を保っていますが、今後、TPPが推進されていくとどうなることやら。
一方、小麦の自給率は13%ですので87%が輸入依存ということになります。
ところが、その87%の輸入のうち51%が米国に依存しており、93%を輸入に依存している大豆についてはなんとその72%が米国依存です。この一点で我が国は未だ米国の実質的属国といっても過言ではありません。
また国防の自立性を高めることの利点は、たんに防衛力の問題だけでなく、先端技術などの研究開発が独自に進むことです。それらの技術が、インターネットがそうであったように必ず民生品に転換されるなどして、国民経済にプラスの効果をもたらします。
日本国にとって実質的な宗主国(!?)たる米国が覇権国家としての力を発揮してくれていた時代は、「護憲」だの、「9条」だの、あるいは「自由貿易」だの、と呑気に言ってこられました。が、米国による一極秩序が既に溶解しつつある今、今後はどうなるのか実に不透明です。
国防、食料、エネルギーの自立性を高めようとしない国家はただただ衰退するのみです。
そんなことを改めて考えつつ、今朝のニュース記事をみていましたら・・・
『民進・共産・社民党首が合同街頭演説会
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS19H15_Z10C16A6PE8000/
民進、共産、社民の野党3党の党首は19日、都内で合同の街頭演説会に臨んだ。安全保障関連法に反対する市民団体などとともに開いた。参加を予定していた生活の党の小沢一郎共同代表は所用で欠席した。民進党の岡田克也代表は与党の改選過半数の獲得阻止を訴えた。「安倍晋三首相の最大の狙いは憲法9条の改正だ。これを許してはいけない」とも呼びかけた。(後略)』
野党が救いがたいのはわかってます。
でも自民党も、9条を変えないと「米国様に見捨てられちゃう~」といっています。
結局、どっちも○○だ。
突き詰めていくと、現在の与野党に○○の点でそんなに差はないのでございます。