依然、我が国では長期金利がマイナス、という異常事態が続いています。
その原因はただひとつ。デフレ期にもかかわらず、政府がバカげた財政均衡主義を貫いて国債発行を抑制し続けているからです。
『三菱東京UFJ銀、国債市場特別参加者の資格返上を検討=関係筋
http://jp.reuters.com/article/mufj-primary-dealer-idJPKCN0YT2PO
三菱東京UFJ銀行は国債市場特別参加者(プライマリーディーラー)の資格を国に返上する方向で調整に入った。日銀のマイナス金利政策の影響で国債利回りが低下し、損失が出かねないと判断した。財務省も資格の返上を受け入れる公算が大きい。関係筋が明らかにした。(後略)』
国債市場特別参加者(プライマリーディーラー)は、その資格を得ることで発行当局と意見交換する場に参加できる等のメリットがある一方、発行予定額の4%以上の入札に参加しなければならないという義務も同時に負わされています。
国債金利のマイナス続きで割に合わなくなった三菱東京UFJ銀行としては「もうそんな資格は結構です」となっているようです。
日銀は毎年80兆円のペースで国債を購入していますが、既に金融機関の手持ち国債が枯渇しています。
2015年末時点で日銀の国債保有額は288兆円、金融機関のそれが238兆円となっています。即ち金融機関の保有額よりも日銀の保有額のほうが上回っています。
要するに、政府の国債の発行が足りないために、市場の国債が枯渇してしまい国債の価値が高まりすぎているということです。
「ニホンノコクサイノシンニンガァ~」とは全く真逆な状況なのでございます。
たとえ日銀の量的緩和(国債購入)によって金融機関がおカネを貸しやすい状況になったとしても、それを借りてモノやサービスを購入してくれる誰かがいないことには需要不足を埋める(デフレ脱却する)ことができません。
でもデフレのため、民間(企業や家計)にそれができない。
じゃあ、誰がやるの?
政府でしょ!
政府が国債を発行してカネを借りる。そして使う。
そうすれば、国債のマイナス金利という異常事態は解消されます。結果、デフレも解消され、税収が増え、政府負債も減っていきます。もっとも日銀によるこれまでの国債購入によって、既に政府負債は実質的に減っていますが。