来年4月に予定されていた消費税再増税の延期がほぼ確定したようです。
総理は当初、東日本大震災級の大災害が発生するか、もしくはリーマン・ショック級の金融危機が発生しないかぎり予定どおり再増税することを宣言されていました。
ご承知の通り、リーマン・ショック級の金融危機は発生しておらず、熊本地震が発生する以前から増税延期の議論が始まっていましたので、事実上、総理自らアベノミクスは失敗だったことを認めたことになりました。
失敗の原因は明らかです。
①アベノミクス第2の矢である財政出動が為されなかったこと、
②第3の矢である構造改革が間違っていたこと、
③そして何よりも致命的だったのが、2014年4月の消費税引き上げ(5%→8%)で更なる需要不足を招いたことです。
過日、民進党は、ちゃっかり「消費税再増税の凍結法案」を提出していましたが、そもそも2014年4月の増税は、菅・野田政権のときに確定し、3党合意までして行ったことです。その失敗の責任をとらず、説明責任すらも果たそうとしていないのですから、この党の支持率が上がろうはずもありません。
さて、再増税が延期されたことで、どうしても消費税を増税したい「クニノシャッキンガァ~」カルトたちは、日本の「ザイセイキリツガァ~」とか、通貨の「シンニンガァ~」とか無知丸出しで叫びだすことは必定です。
そこで必ずでてくるのが以下の論法です。
「クニノシャッキンガァ~既に1000兆円を超えてるけど、日本には1700兆円の国民の個人金融資産があるから何とかもっている。でも、1700兆円の個人(家計)金融資産をクニノシャッキンガァ~上回ったらハタンスルゥ~」
このように勝手にデッドラインを決めて、インチキな「日本破綻論」を展開します。
そもそもカルトたちは、政府の負債が国民の個人金融資産を上回ることなどありえない、ということを知らない。
下のグラフをご覧ください。
上回るどころか、政府負債の伸びと家計の金融資産の伸びは完全に比例しています。
そりゃ、あたりまえでしょ。政府は国債を発行して得たおカネを燃やして捨てちゃうわけじゃないんですから。
政府が公共投資や政府最終消費支出という形でおカネを使い、そのおカネが企業を通じて家計に回ってきます。1700兆円の家計資産はそのようにして蓄積されてきたんですよ、カルトの皆さん。
いったいどうやったら家計資産を政府負債が上回ることができるのか逆に教えてほしい。