いわずもがな、我が国は自然災害大国です。
よって防災安全保障上の観点から、我が国においては国土の一定地域に人口を集中させない“人口分散”が求められます。
とりわけ、東京圏(神奈川県、埼玉県、千葉県を含む)に3500万人もの人口が集中している現状は安全保障上の大きな問題として取り沙汰されています。
一方、防災安全保障上の問題とともに、地方創世の観点からも特定都市部への人口集中は地方の過疎化にもつながっています。
『青森県の推計人口130万割れ
http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201605/20160514_23006.html
青森県の推計人口が4月1日現在で前月比6014減の129万7762(男60万9149、女68万8613)となり、1950年以来初めて130万を割り込んだ。県推計人口は84年1月の153万1468をピークに、90年に150万を割った。18年後の2008年4月に140万を割ってから8年で10万人が減り、人口減が加速している。(後略)』
地方の過疎化の主因は、都市部と比較して明らかに劣っている社会インフラの貧弱性にあるのだと思われますが、石破地方創世担当大臣のこれまでの発言を聴いていると、あまりそうした認識はお持ちになっておられないようです。
石破大臣の選挙区たる鳥取県は、全国で最も県民総生産の低い県(平成24年の統計時点)であるにもかかわらず。
2006年をピークにして日本全体の人口は減少しているなか、東京圏の人口流入は増え続けています。
この川崎市もしかりです。
因みに、川崎市の人口ピークは152.2万人(平成42年)と推計されています。
川崎市議会には、本市の人口が増え続けていることをとても嬉しそうに語るおめでたい議員もおられますが、日本国全体の安全保障と経済成長という観点にたてば、必ずしも喜ばしいことではないのです。
首都直下型地震や南海トラフ巨大地震、あるいは富士山の噴火等々、自然災害の脅威がまさに迫りつつある中、地方自治体の議員はその地域の発展だけを考えるのではなく、常に国土全体の安全保障と経済成長を視野に入れて思考することの重要性を改めて痛感します。
もし川崎市を含む東京圏が被災した場合、すぐに被災者の救援に駆けつけ、復旧復興に尽力してくださるのは地方の同胞なのですから。逆もまたしかりです。