今朝、某テレビ局の経済番組で、某○○エコノミストがまたもやインチキな解説をしていました。
氏いわく、「アベノミクスは円安によって企業業績を伸ばすことに成功した」とのこと。
このように解説されると、まるでアベノミクスで輸出が増えたように聞こえます。氏によれば、だからこそアベノミクスは評価されるべきなんだ、ということでした。
ところが、です。
下のグラフをご覧ください。
アベノミクス以降というより、黒田日銀による量的緩和以降、確かに円安にはなりました。(グラフの青い線)
一方、オレンジ色の線は、実質輸出指数の推移です。2010年を100としています。
昨年1月に一瞬だけ増えていますが、結局のところ昨年12月の段階で依然として2010年の水準です。
円安で輸出の量(実質輸出)が伸びたのではなく、為替という物差しが変わったことにより企業収益がプラスになっただけの話です。
例えば、1億ドルの輸出をした場合、1ドル=80円なら80億円の売り上げ、1ドル=120円なら120億円の売り上げとなります。
つまり、この○○エコノミストは、
「輸出の量は増えていないけど、ただ単に円安という物差しが変わったことにより輸出企業の収益が増えただけです」
と、解説すべきところです。
アベノミクスはデフレの脱却を目的とした経済政策のはずです。
その目的が全く達成されていない以上、評価などできるはずがないのに、こういう手合いにかかると、なぜか「評価に値する政策」にされてしまうのです。
世を惑わすエコノミストにはご注意を。