私が現今政治で最も重視する対立軸(政治課題)は「経世済民 VS グローバリズム」です。
このブログの表題は『早くしないと日本が溶けていく』ですが、まさに日本を溶かしているものの一つが「グローバリズム」です。
グローバリズムは、文字通りグローバリストらの利益を最大化するために、国家の安全保障(国防だけではない)を毀損させ、国民を貧しくさせていきます。
例えば、グローバリズムを進めるアベノミクスは株価を上昇させることに成功しましたが、その一方で実質賃金を5%以上も下落させています。あるいは株主への配当金を増やしつつ、その代償として労働分配率は引き下げられました。
何よりも企業はグローバル投資家らの要請によって四半期ごとの利益を追求しなければならず、その代償として人件費や研究開発費はもちろん、メンテナンス費用までもが削減される世の中になりました。そのことは、私たち国民の安全を守るシステム等がグローバリズムによって毀損されていく理由の一つです。
結果、企業側の不作為による事件・事故が多発していることは周知のとおりです。
さらに深刻なことは、なぜか利益追求を目的としない政治・行政までもがこの思想に汚染されていることです。
政治・行政が責任をもつべき、防災、防犯、医療、介護、教育、食糧、エネルギー等々、各種の安全保障があります。それらを犠牲にしてまでプライマリーバランスを維持する政治に何の価値があるのでしょうか。そもそも日本に深刻な財政問題など存在していないのに。(存在すると思っている無知な為政者は即刻辞めよ)
今回の熊本地震の件で、今朝の朝日新聞に以下のような記事が掲載されていました。
『益城町の震度計、データ届かず 故障で「本震」計れず
http://www.asahi.com/articles/ASJ4L5GZMJ4LULBJ00S.html?iref=comtop_list_nat_n01
熊本県などで相次いでいる地震で、16日未明に起きたマグニチュード7・3の地震の熊本県益城街の震度が不明のままになっている。地震の影響でデータが届かなくなったためで、気象庁は別の震度計を置いて17日夜から観測を始めた。(後略)』
全文を読むかぎり、記事は故障の原因を伝えていませんが、もしもメンテナンス費用削減の結果として発生した故障であったとしたら誠に残念です。あるいは予算上の都合で当初から安物震度計だったのでしょうか。
震度計が地震で故障してしまうのは、体温計が体温で故障してしまうのと同じであろうに。
たかが震度計の故障と思う方もおられるかもしれませんが、これは一つの事例に過ぎません。(神は細部に宿る)
政治は何よりも、国民の安全保障を優先する「経世済民」を追求すべき存在であることを改めて思います。