本日は、川崎市財政局が示している今後数年間の収支フレームについて取り上げさせて頂きます。
常々申し上げておりますように、税収は名目GDPに相関します。川崎市の場合、市内名目GDPと市税収入の相関係数は「0.72」です。統計学上、0.7を超えると「ほぼ相関関係にある」といっていいそうです。
その収支フレーム策定の前提となる経済成長率については、非常にお花畑的な内閣府の試算が使われています。
過日の予算審査特別委員会でも指摘させて頂きましたが、地方自治体として内閣府の試算を前提にしなければならない建前があることはよく理解できるのですが、客観性に欠ける点をどのように補うのかが問題です。
一方、IMF(国際通貨基金)が日本の経済成長率見通しを修正しました。
『IMF 日本の経済成長率を0.5%に下方修正
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160412/k10010476661000.html
IMF=国際通貨基金は最新の世界経済の見通しを公表し、世界全体が減速するなか、特に日本の成長率の見通しを大幅に引き下げ、ことしは0.5%の低い成長にとどまったうえ、消費税率の引き上げが予定される来年は0.1%のマイナス成長に陥るという厳しい予測を示しました。(後略)』
IMFの見通しがすべて、なんぞ言う気はさらさらありません。
あくまでも参考です。
そこで、IMFの見通し前、即ち修正前の経済成長率と、川崎市が収支フレームの前提としている経済成長率を比較してみましょう。
2016年度の成長率は1.4%から0.5%に修正され、2017年度はマイナス0.1%に修正されたようです。
くどいようですが、IMFの想定がすべてではありませんが、川崎市財政局(内閣府)の想定がいかに楽観的かつ希望的な想定であるのかがある程度参考になろうかと思います。
というか、IMF想定とわざわざ比較する必要もないんです。
なぜなら、収支フレームが想定している2016年度の物価上昇率は1.6%だからです。そんなの、どうみてもありえないでしょ。黒田バズーカといわれた金融緩和政策の効果も乏しく、その間、我が国の物価上昇率はほぼゼロですから。
私は、実態に即した収支フレームの策定を当局に求めています。